志布志の街角に立つ山頭火の句碑
放浪の俳人、種田山頭火が志布志を訪れたのは、昭和5年の秋のことであったといいます。同年の 10月10日に、福島(現串間市)から徒歩で志布志に入り、志布志に2泊滞在して、街中を行乞(ぎょうこつ)して、12日に志布志駅から都城へ向かったとのことです。
2泊3日という短い間に、山頭火は46もの句を詠んでいます。また、山頭火の日記「行乞記・あの山越えて」の中に、志布志の様子も描かれています。それによると、山頭火は街で若い巡査に「托鉢なら托鉢らしく正々堂々とやりたまえ」と注意されたとのことであります。
「秋の空高く 巡査に叱られた」これがその時に詠った句のようです。
この事が原因だったのか、山頭火は志布志での行乞を止め、12日には都城へ旅立っています。こうして、山頭火の鹿児島での旅は志布志のみ滞在で終わっています。
山口県防府の生まれの放浪の俳人山頭火を訪ねたことがあります。多くの句の中で私の好きな句は次の句です。
「捨てきれない にもつの重さまえ後ろ」
「一きれの雲もない 空のさびしさまさる」