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ことだま日記

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はがき随筆月間賞

     毎日新聞鹿児島「はがき随筆」7月度「月間賞」を受賞

 先日、8月22日(土曜)新聞の鹿児島版に大きく「月間賞に一木さん(志布志市)」の見出しを見てビックリ。 作品は、去る7月25日に掲載された「母の日記帖」が優秀作に選ばれていた。その作品を次に紹介させていただきます。         
 
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    「母の日記帖」                   

「母が他界してから間もなく17年になる。この間、私にはどうしても決断できないことが一つある。それは二十数冊も残された母の日記帖のことである。
 実は七回忌法要が終わった時点で段ボール箱に入れて処分しようとしたけれども、そのとき母の日記を読んでしまった。
 息子夫婦が帰郷して継続した喜び。自分より先に逝った夫の看病や子育て時代の追憶。それに90歳過ぎるまで生きた老・病・死に対する心境などが、そこはかとなくつづられていた。
 日記帖を見る度に、優しく接すればよかったという慚愧の念が、私の決断を鈍らせている。」 以上です。
はがき随筆月間賞_d0298869_12031838.jpg
 選者は毎月、石田忠彦鹿児島大学名誉教授ですが、選者の評は次の通りでした。
 「母の日記帖」 「徒然草」のなかに、ひとり反古紙(ほごがみ)などを整理していると、昔の人の手紙が見つかり、読んでいると、その人とまるで向き合っているような気分になるものだという一節があります。ここでは、亡き母の日記帳を読んでみたばかりに、かえって処分できなくなったという、母と子との間の、親密でもあり微妙でもある心理が巧みに描かれている。 以上です。
 「はがき随筆」を始めて20年余りになりますが、その間、佳作は5~6回ありますが、月間賞は約10年ぶり2回目です。これまで、賞を目当てに書いたことは一度もありませんが、自分史のつもりで毎月投稿しています。 受賞は正直、嬉しいです。有り難うございました。

by butda2 | 2015-08-23 11:42