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ことだま日記

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南日本新聞「ひろば」より

        「一人でも孤独死でない最期に」(H28、6、26掲載)

 私は、毎日新聞鹿児島版の「はがき随筆」に毎月投稿している。南日本新聞にも以前は年間4、5本投稿していたが、最近はめっきりご無沙汰してます。
 先日、久し振りに投稿した作品が掲載されていましたので、下記に転載して紹介いたします。
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       「一人でも孤独死でない最期に」(僧侶 一木法明 80)

 お釈迦さまは、人間は生まれながらに「生老病死」の四つの苦しみを持って生まれると言った。生きていく苦しみ、特に老いていく苦しみ、病んでいく苦しみ、そして死んでいく苦しみである。
 この苦しみを解決するために、昔は周りに家族がいて支えてくれた。核家族化が進んだ今は、家族意識が弱っているような気がする。従ってこの老病死の問題は、自らが解決しなくてはならない。苦労して育てた子どもも、自分が老いて病んだときに頼りにならない。子どもに介護を期待する時代ではなくなりつつあるようだ。
 終活という言葉をよく目にする。終活とは人生の終末に向けての活動や準備で、いかにして人生を自分らしく締めくくるかということだ。この課題に元気なときから向き合い、心の準備をすることが大事だろう。
 人生を旅に例えた古人は多い。行き先がない旅は旅ではない。自分の人生がどこに向かっているのかも意識せずに、年を重ねるのは不安である。
 終活にはいろいろな方法があるが、まずは人生という旅の行き先をはっきりとさせることだろう。心のよりどころを持って、一人であっても孤独死でない最期を迎える心の準備が、何よりも大切ではないか。
by butda2 | 2016-06-30 21:38