
如来さまについて紹介します。薬師如来さまでも説明しましたが、如来とは悟りを開かれた仏さまのことで、菩薩さまとは、如来ささまにつかえて修行して、やがて如来さまになられる方であります。
真言宗など、密教系の本尊は「大日如来」でありますが、大日如来には二体の異なる仏像があります。
一つは、目を閉じて、体の真ん中で左手の人差し指を、右手で握って何かを祈祷しているような姿(この姿を智拳印ーちけんいんーと言います)ーこの姿の仏像を「金剛界大日如来」(こんごうかいだいにちにょらい)と言います。
二つには、写真の仏像のように、両手を重ねて親指を合わせている姿(この姿を法界定印ーほっかいじょういん)ーこの姿の仏像を胎蔵界大日如来(たいぞうかい)と言います。
金剛界大日如来は、宇宙のあらゆるもの(森羅万象)を創りだすエネルギーを表して、胎蔵界大日如来は、宇宙の森羅万象(しんらばんしょう)が、母親の胎内のような大日如来の懐(胎)に優しく包まれいる慈悲を表して、この両者そろって、はじめて密教の世界観が成立しているのです。
私は、密教についてはあまり知りませんが、大日如来は密教が生み出した仏で、すべての仏、菩薩をはじめとするあらゆる存在(森羅万象)は、大日如来から生まれ、やがて大日如来に帰っていくと考えられています。
従って、私たち人間は、大日如来から生まれ、やがて大日如来の悟りの世界に帰っていくと考えます。